言葉の芥場

思ってることを、思っているままに。日ごろ、堆積したことばを吐き出す場所。

ベジタリアン

今年に入ってからしばらくしてベジタリアンになろうとフワッと決めて、卒業とか帰国とかを経て今は完全にベジタリアンとなりました。ヴィーガンに限りなく近いですが、魚介系の出汁は避けられなかったり、はちみつを食べたりはするので、厳密なヴィーガンではないです。時と場合によって柔軟にルールは決めていますが、目に見える動物性のものは基本的に食べない、もし食べるほかないときは魚介系にする、そのほかの部分ではなるべく避けるようにしてはいます。

アメリカにいた時から、金銭的な理由から肉をあまり買わずに生活していたので、肉を食べないことにあまり抵抗は無かったし、カリフォルニアにいる限りヴィーガンという食生活が身近にあったのでこの選択は自然と決められました。

人に会ってベジタリアンになったと言うと、大概何故かを聞かれるので、もうここで書いてしまおうと思います。僕がベジタリアンになったのは大きく分けて2つ、「環境保全」と「動物福祉」です。一つ一つ、順に説明します。

 

まず、僕の中で1番大きな理由、環境保全について。ベジタリアンと環境、どういう関係があるのかと思うかもしれません。しかし、肉食をするための畜産業は、様々な観点から環境に悪影響を与えています。

現在、地球の地表のうち人間が生活できるのは約71%だと推定されています。その内約半分の土地が農業や畜産業に使われている訳で、さらにこの土地の77%が畜産のために使われています。ざっくりとした言い方をすれば、人が食べ物を作るために使われる土地の7割強が肉、卵、乳製品の為に使われているということです。ただ、肉、卵、乳製品は世界のカロリー消費量の18%程度しか生み出しておらず、とても非効率的です。

この莫大な土地を確保するため、多くの森林が伐採され、家畜の放牧に利用されています。もしもここに植物が植えられていれば、植物は光合成を通じて炭素を地中に戻し、豊かな土壌を作ってくれます。ただ、放牧をする以上そのような事は望めないので、結果的に環境破壊につながっていきます。これについては広大な土地で一つの作物を育てる単一栽培の部分でも問題になっているので畜産だけが悪ではないですが、畜産業の与える影響は無視できません。

さらに、畜産業を成立させるためには、膨大な水の量と水の汚染が付いて回ります。1キログラムの牛肉を作るのに、約13000リットルの水が必要とされます。一方、同量のトウモロコシなら約500リットル、水耕栽培が必要な米でも約2500リットルしか必要としません。さらに、畜産動物の排せつ物が水の汚染を引き起こしているのは国連でも取り上げられるほど大きな問題になっています。さらに飼料に含まれる抗生物質やホルモン、肥料も生活用水に流れ込み、水質の悪化や淡水の環境破壊につながっています。

農場排気といわれる、農業、畜産業を通じたメタンガスの排気は車等の二酸化炭素排気に比べて23倍も温暖化への影響が大きいとも言われます。もちろん、作物を育てるうえでもこの農業排気は避けられないのですが、畜産業の方が与える影響は大きいです。農業排気の内、最も排気率が高いのは牛肉と乳製品の生産で、約20%を占めます。

こういったデータを大学の授業の中で一部見て、それから自分なりに調べたりした結果、肉や乳製品がどれだけの環境を犠牲にして作られているかを知りました。これが僕がベジタリアンになった一番大きな理由です。

これらのデータは様々ある環境への影響の一部を示したもので、ある程度信頼のおけるソースからとってきたつもりです。このブログの最後に参考にしたサイトを載せますのでよろしければぜひ。

ベジタリアンになろうかなと思った後、いろいろ調べて知った次の理由が動物福祉です。現在の畜産業が動物たちをどう扱っているのか。そこまで考えたことのなかった事ではあったんですが、ベジタリアンについて調べているうちにYouTubeにあったDominionというドキュメンタリーと発見しました。内容的には、現在の畜産業界において、家畜たち経済動物と呼ばれる生き物がどういった扱いを受けているのかに迫ったものです。もちろん、この動画で描かれていることがすべてだとは思いません。ただ、こういった現状があるのも事実で、それが現在の畜産において主流であるというのも間違いではないと思っています。植物も生きているじゃないかと言われる人もいるかと思います。もちろん、そうです。ただ動物と違って植物は感情を持ちません。そういった意味では動物に対してどう関わっていくのかはより大切なのではないかと思います。僕はベジタリアンになってからの方がむしろ、命をいただいているという自覚が増した気がします。それは多分、こういった部分を調べて知ったからだと思います。

 

以上の二つが僕がベジタリアンになった大きな理由です。僕は、すべての人がベジタリアンになるべきだ、とか肉食する奴は悪だ、とかは全く思いません。何を食べるのかは個人の自由だと思うし、僕のこの考え方はあくまでも僕個人の思想でしかありません。ポジショントーク的な部分もあるので、そうじゃないよと言われる部分もあるでしょう。ただ、ベジタリアンについてあまり知らない人や興味のなかった人が少しでも興味を持ったり、調べてみようと思ってくれたらうれしいと思い、ブログで詳しく書いてみました。

 

参考

https://www.google.com/amp/s/www.vogue.co.jp/lifestyle/article/2019-12-13-veganism-could-save-the-planet-cnihub%3famp https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/2019-12-13-veganism-could-save-the-planet-cnihub?amp

https://ourworldindata.org/global-land-for-agriculture

http://www.unesco.org/new/fileadmin/MULTIMEDIA/FIELD/Venice/pdf/special_events/bozza_scheda_DOW04_1.0.pdf

https://youtu.be/LQRAfJyEsko