言葉の芥場

思ってることを、思っているままに。日ごろ、堆積したことばを吐き出す場所。

創立記念講演

国際協力の分野に興味を持って以来、高校生活の中でずっと後悔していることがありました。

うちの高校では毎年、創立記念日にOBの方が来て講演をされます。在学中、どの年だったかはしっかり覚えていないのですが、中村哲さんがOBとして来てくださったことがありました。当時は体育館に集まって長々と話を聞くというのがどうも嫌いで、こういう講演とか集会はあまり真面目に聞いていませんでした。中村哲さんのお話は、すごい人だというのを聞いていたのもあって普段よりは真剣に聞いてはいたものの、聞き流していた部分がほとんどだった気がします。今思い返すと、講演の内容そのものよりも、その後に友達に言った「凄い人だってことは分かるけど、俺にとっては世界が違い過ぎてピンとこない」の方が記憶に残っています。

国際協力をしたいと思ってから、中村哲さんがいかにすごい人なのか、あの日の機会がいかに貴重なものだったのかを痛感しました。やられていた活動のみならず、考え方など含めてとても尊敬していて、個人的に同じ高校出身というのが嬉しい限りです。いつか必ずもう一度お話を聞いて、できれば質問とかをして、運が良ければ同じ高校のOBであることを伝えたいというのが心の中の一つの目標でした。

もうそれは叶ぬ目標となってしまいました。

あの日、遠すぎると言い訳して目を逸らした世界を今は見られるようになりました。中村哲さんの遺志を、などとは言える立場にもないですが、自分を引き締めて、努力を続けていこうと思います。

 

中村哲さんの訃報に哀悼の意を表するとともに、中村哲さんとそのご家族のために祈ります。